鳩山首相が辞任を表明した。野党やマスコミは以前から鳩山の責任追及を叫んできたが、普天間米軍基地移設問題のこじれと社民党の政権離脱という事態を受けて、民主党内部からも鳩山退陣を求める声が大きくなり、辞任に追い込まれた。
しかし、夏を前に、またわが国のトップが替わるのかと思うと気が滅入る。小泉元首相のあと、安倍元首相以下、4年つづけて毎年首相が替わる事態に、国民はうんざりしていないのだろうかと疑問に思う。なぜ、この国では、こうもすぐに首相、すなわち与党党首の責任と退陣が問題になるのだろうか? 日本と同じ、議院内閣制を採用し、ことあるごとに日本がお手本とする国であると言われるイギリスでは、こう頻繁に首相は交代していない。ブレア元首相にせよ、ブラウン前首相にせよ、その政策や指導力が問題にされても、日本のように簡単に辞めたり、辞めさせられたりはしていない。
日本と言う国は、欧米などと比べて、一般に集団主義的で、個人の責任追及をあまりしない。企業トップが経営に失敗した時、アメリカなどでは経営者個人が厳しい処分を受けるのに対して、日本の経営者は、個人が厳しい処分を受けることはないように言われてきた。にもかかわらず、国のトップについては、なぜ、こうも厳しく追求されるのか? 思うに、トップさえ替えれば禊(みそぎ)は済んだ、という安易な「辞任論」が政治の世界にはびこっているのではないか? 総裁選挙で麻生を選んでおきながら、数ヵ月後には、「選挙のために」辞任を迫った自民党議員が、そのいい例である。いや、現在の民主党議員も同じようなものだろう。彼らには、みずから選んだトップをできるだけ支え、ともに努力しようという意志が感じられない。
いや、その意味では、鳩山民主党を選んだ日本国民も同じようなものである。今回の鳩山退陣の危機は、普天間迷走が決定打となったようだが、普天間問題に関して、日本国民(沖縄県民を除いて)が何を望んでいるのかが見えてこない。彼らが本当に米軍基地の国外移設を望んでいるのなら、一国の首相をこれだけ馬鹿にし、交渉も妥協の余地も示さなかったアメリカに対して、怒りの矛先が向かわなければおかしい。米軍基地の沖縄県外移設を支持していたのなら、積極的に自分の地方に基地を誘致しなければおかしい。
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